中国の洋上風車の大形化が急速に進む

（↑ 　洋上風力市場での中国の発展の様子）

洋上風力分野でも、市場・技術共に中国が急速に発展してきています（上グラフ参照）。

中国は2021年に買取優遇終了の駆込需要で、1年間に16.9GW・約2600基の洋上風車を建設しました。

2023～25年に運開予定の1GW級洋上案件も7件以上あります。

一方で洋上風車の大形化では、これまで中国は欧米に３～4年の遅れをとっていました。

（2021年の新設洋上風車の平均サイズは、欧州8.2MWに対し、中国は5.6 MWでした。）

最近の中国は10MW超級風車の開発と急速な実用化を進めています。

11～16MWを既に商用投入、18MW風車が建設中です。

欧米では、陸上にプロトタイプ（初号機）を建ててから、型式認証取得と信頼性検証に数年かけた後で商用投入します。

例えばGEのHaliade Xは、2019年11月にオランダRotterdam港にプロト機運開後、英国Dogger Bank洋上サイトが運開する2024年まで、商用化に約5年をかけました。

中国では、国内案件は型式認証不要なので、認証取得や検証に月日を掛けずに、いきなり洋上風力発電所に大量導入しているようです。

このため新設洋上風車の平均サイズは、2023年分の統計では中国が欧州を凌駕する可能性があります。

関連報道

中国の風力発電メーカー、相次ぎ世界最大の1基16MWの風力発電タービン開発。18MW級も視野。グローバルサプライチェーン基盤で競争力強化。日本勢の「自前技術主義」と明確な差、2023年7月3日　RIEF

SEP船「铁建风电01」による（Mingyangの）出力11MW風力タービン設置、2023年7月3日　CRANE1000

12MW風車（MySE 12-242）が2023年6月に洋上で運開

Smart Energy Turbine to produce 75 tons of fish、7月11日　4C Offshore

MingyangがGoldwindに続いて16MW風車を運開。ロータ径は260m。

Mingyang Commissions 16 MW Offshore Wind Turbine with 260-Metre Rotor Diameter in China、7月18日　offshoreWIND.biz

中国が世界初16メガワット超の洋上風力発電開始（Goldwind）　風力発電関連の輸出進めたい考え、7月20日　テレビ朝日(ニュース動画)

福建省の平潭外海で16MW大容量海上風力発電機の設置が始まる（Goldwind）、6月25日　中国網日本語版

【Brinkmann GroupのResearcherによる解説記事】

Why did the Chinese offshore wind turbine sizes double in the past two years from 6-8MW to 14-18MW?　Linkedin　2023/3/3

・第1世代：2009～2019年：定格出力4～5MW、欧米からのライセンス供与

・第2世代：2019～2021年：定格出力4～8MW、ロータ直径140-180m、中国の準国産技術

・第3世代：2022～2025年：定格出力8～18MW、ロータ直径200-280m、完全に中国の独自技術

・第4世代：2026～2030年：定格出力14～25MW、ロータ直径250-320m

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